ナッシュ均衡とはなに?
ナッシュ均衡とは、経済学やゲーム理論で使われる概念で、互いに最善の選択をしたときに、誰も自分の選択を変えたくない状態のことを言います。
この記事では、ナッシュ均衡について、以下のように説明していきます。
- ナッシュ均衡の定義と例
- ナッシュ均衡が生まれる条件とメリット
- ナッシュ均衡が崩れる原因とデメリット
それでは、さっそく見ていきましょう。
ナッシュ均衡の定義と例
ナッシュ均衡は、アメリカの数学者ジョン・ナッシュによって提唱された概念です。彼はこの発見でノーベル経済学賞を受賞しました。彼の人生は映画「ビューティフル・マインド」で描かれています。
ナッシュ均衡の定義は次のようになります。
> あるゲームにおいて、各プレイヤーが自分にとって最善の戦略を選んだとき、どのプレイヤーも自分の戦略を変えることで得することがない状態
ここでいうゲームとは、複数のプレイヤーが互いに影響しあって結果が決まるような状況のことです。例えば、市場競争や交渉や投票などがゲームにあたります。
ナッシュ均衡の例を見てみましょう。有名なものに「囚人のジレンマ」というゲームがあります。これは次のような設定です。
- 二人の犯人が逮捕されたが、証拠が不十分で有罪にできない
- 警察は二人を別々の部屋に入れて取り調べる
- 警察は二人に次の選択肢を提示する
- 自分だけ自白すれば釈放されるが、もう一方は10年の刑期
- 両方とも自白すれば5年の刑期
- 両方とも黙秘すれば1年の刑期
このゲームでは、どういう選択がナッシュ均衡になるでしょうか?
答えは両方とも自白することです。なぜなら、
- もし自分だけ自白すれば、もう一方が黙秘していれば釈放されるが、もう一方も自白していれば5年の刑期になる
- もし自分が黙秘すれば、もう一方が自白していれば10年の刑期になるが、もう一方も黙秘していれば1年の刑期になる
つまり、どちらも自分の選択を変えると不利になるので、両方とも自白することが最善です。しかし、この結果は両者にとって最適ではありません。なぜなら、両者が黙秘すれば1年で済むのに、5年も服役しなければならないからです。このように、ナッシュ均衡は必ずしも社会的に望ましい状態ではないことがあります。
他にもナッシュ均衡の例はたくさんあります。例えば、
- 二人の男性が同じ女性に好意を持っているとき、どちらもアプローチしないことがナッシュ均衡です。なぜなら、もし一方がアプローチすれば、もう一方は失恋するか、競争するかのどちらかになります。しかし、どちらもアプローチしなければ、女性は誰とも付き合わないかもしれません。
- 二人の国が軍備を増強するか減少するかを決めるとき、どちらも増強することがナッシュ均衡です。なぜなら、もし一方が減少すれば、もう一方は攻撃するか威嚇するかのどちらかになります。しかし、どちらも増強すれば、戦争は起こらないかもしれませんが、軍事費は増えます。
以上のように、ナッシュ均衡は様々なゲームにおいて見つけることができます。しかし、ナッシュ均衡が生まれるためには、ある条件が必要です。それは何でしょうか?次の章で見ていきましょう。
ナッシュ均衡が生まれる条件とメリット
ナッシュ均衡が生まれるためには、次の二つの条件が必要です。
- 完全情報:各プレイヤーはゲームのルールや他のプレイヤーの選択肢や利得を知っている
- 同時行動:各プレイヤーは他のプレイヤーの選択を知らずに同時に行動する
これらの条件が満たされるとき、各プレイヤーは自分にとって最善の選択をすることができます。そして、その結果がナッシュ均衡になります。
ナッシュ均衡が生まれるメリットは何でしょうか?
一つは予測可能性です。ナッシュ均衡では、各プレイヤーの選択や結果が決定的になります。つまり、ゲームの状況や他者の行動を予測することができます。これは戦略的な意思決定や交渉や協力に役立ちます。
もう一つは安定性です。ナッシュ均衡ではナッシュ均衡では、どのプレイヤーも自分の選択を変えることで得することがないので、ゲームの状態が変化しにくくなります。つまり、ゲームの均衡が安定しています。これは効率性や公平性や合理性に寄与することがあります。
しかし、ナッシュ均衡にはデメリットもあります。それは何でしょうか?次の章で見ていきましょう。
ナッシュ均衡が崩れる原因とデメリット
ナッシュ均衡が生まれる条件は、現実には必ずしも成り立たないことがあります。例えば、
- 完全情報:各プレイヤーはゲームのルールや他のプレイヤーの選択肢や利得を完全に知っているとは限りません。実際には、不確実性や不完全性や非対称性などが存在します。例えば、市場競争では、他の企業のコストや需要や技術などを正確に把握することは難しいです。
- 同時行動:各プレイヤーは他のプレイヤーの選択を知らずに同時に行動するとは限りません。実際には、先行者や後追者などの時間的な差が存在します。例えば、投票では、早期投票者や遅期投票者などがいます。
これらの条件が満たされないとき、ナッシュ均衡は崩れる可能性があります。つまり、各プレイヤーは自分にとって最善の選択ではなく、他の選択をすることがあります。これは非効率性や非公平性や非合理性につながることがあります。
ナッシュ均衡が崩れる原因とデメリットを具体的に見てみましょう。一つは「協力の困難さ」です。ナッシュ均衡では、各プレイヤーは自分の利益を最大化することを目指します。しかし、これは必ずしも社会全体の利益を最大化することにならないことがあります。
例えば、「囚人のジレンマ」では、両者が自白することがナッシュ均衡ですが、両者が黙秘することが社会的に望ましいです。このように、ナッシュ均衡では、個人的な利益と社会的な利益との間にトレードオフが生じることがあります。この場合、協力することで社会的な利益を高めることができますが、協力するインセンティブが弱いかもしれません。
もう一つは「戦略的な操作」です。ナッシュ均衡では、各プレイヤーは他のプレイヤーの選択に影響されないことを前提としています。しかし、これは必ずしも現実に当てはまらないことがあります。例えば、「投票」では、自分の本当の意思ではなく、他人の投票結果や予測に基づいて戦略的に投票することがあります。このように、ナッシュ均衡では、他者の行動や情報を利用して自分の利益を高めることができるかもしれません。
以上のように、ナッシュ均衡は、ゲーム理論の重要な概念ですが、現実には様々な問題や限界があります。それでも、ナッシュ均衡は、人間の行動や社会の仕組みを理解するための有用なツールです。ナッシュ均衡を知ることで、自分や他者の選択や結果について、より深く考えることができます。
まとめ
この記事では、「ナッシュ均衡をこどもでもわかるように」をテーマにブログ記事を生成しました。以下に要点をまとめます。
- ナッシュ均衡とは、互いに最善の選択をしたときに、誰も自分の選択を変えたくない状態のこと
- ナッシュ均衡が生まれる条件は、完全情報と同時行動
- ナッシュ均衡が生まれるメリットは、予測可能性と安定性
- ナッシュ均衡が崩れる原因とデメリットは、協力の困難さと戦略的な操作
ナッシュ均衡は、ゲーム理論の基本的な概念ですが、現実には複雑で多様な状況があります。ナッシュ均衡を知ることで、自分や他者の選択や結果について、より深く考えることができます。ナッシュ均衡に興味がある方は、ぜひ他のゲームや例も調べてみてください。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。次回もお楽しみに!
コメント
コメントを投稿