将棋ペンクラブ大賞とは?2023年度受賞者発表!

今回は、将棋界のアカデミー賞とも言われる「将棋ペンクラブ大賞」について、その歴史や選考の秘密、受賞作品の魅力などを徹底的に解説していきます。

この記事では、以下の内容についてお話しします。

- 将棋ペンクラブ大賞とは何か?
- 将棋ペンクラブ大賞の歴史と変遷
- 将棋ペンクラブ大賞の選考方法と基準
- 第35回将棋ペンクラブ大賞の受賞作品とその見どころ

この記事を読めば、将棋ペンクラブ大賞に関するあらゆる情報が手に入ります。将棋ファンはもちろん、将棋に興味がない人でも楽しめる内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。


将棋ペンクラブ大賞とは何か?

まずは、将棋ペンクラブ大賞とは何かを簡単に説明しましょう。

将棋ペンクラブ大賞は、将棋と文章を愛する観戦記者、作家、棋士などの親睦団体である「将棋ペンクラブ」が主催する、優れた将棋観戦記、将棋関係の著作等に授与する賞です。

将棋ペンクラブ大賞は、観戦記部門、文芸部門、技術部門の3つの部門に分かれており、それぞれ大賞と優秀賞が選ばれます。また、特別な功績があった場合には特別賞も授与されます。受賞者には副賞として金一封やトロフィーなどが贈られます。

将棋ペンクラブ大賞は、1989年に第1回が開催されて以来、毎年恒例のイベントとなっています。第35回目となる今年は、2023年7月24日に発表されました。受賞作品や選考委員のコメントなどは、9月発行の将棋ペンクラブ会報秋号に掲載されます。


将棋ペンクラブ大賞の歴史と変遷

次に、将棋ペンクラブ大賞の歴史と変遷について見ていきましょう。将棋ペンクラブ大賞は、元々は「日本文芸家協会」が主催していた「日本文芸家協会文芸奨励金」の一部門として始まりました。この奨励金は、小説や詩など様々なジャンルの文芸作品を対象としていましたが、その中で「将棋関係」の作品も評価されていました。

しかし、1988年に日本文芸家協会が解散したことで、この奨励金も消滅してしまいました。そこで、将棋関係の作品を評価する場を失わないようにと、将棋ペンクラブが独自に「将棋ペンクラブ大賞」を創設しました。第1回は、1989年に開催され、観戦記部門の大賞には、当時の将棋界の第一人者であった加藤一二三九段の「第38期王座戦五番勝負第4局」が選ばれました。

以来、将棋ペンクラブ大賞は、将棋界の発展とともに歩んできました。受賞作品には、名人や竜王などのタイトル戦や七番勝負の観戦記や、将棋の歴史や文化を描いた小説やエッセイ、将棋の技術や理論を解説した指南書などがあります。また、受賞者には、棋士や観戦記者だけでなく、作家や評論家、ジャーナリストなども含まれています。

将棋ペンクラブ大賞は、将棋ファンだけでなく、一般の読者にも将棋の魅力を伝える役割を果たしています。特に近年は、藤井聡太七段や豊島将之竜王などの若手棋士の活躍や、NHK杯や朝日杯などのテレビ放送やインターネット中継などで、将棋の人気が高まっています。その影響もあり、将棋ペンクラブ大賞に応募される作品も増えています。


将棋ペンクラブ大賞の選考方法と基準

では、将棋ペンクラブ大賞はどのように選ばれるのでしょうか?ここでは、選考方法と基準について説明します。

まず、応募資格ですが、原則として前年度(1月1日~12月31日)に発表された作品が対象となります。ただし、発表時期が前年度末に近い場合や、発表後に注目された場合などは、翌年度に持ち越すこともあります。また、応募者は自分自身の作品だけでなく、他人の作品も推薦することができます。

次に、選考委員ですが、毎年4名が任命されます。選考委員は、作家や文芸評論家などの文芸関係者と棋士から構成されており、その中から1名が委員長を務めます。選考委員は2年連続で任命されることが多いですが、必ずしもそうではありません。

そして、選考プロセスですが、以下のように行われます。

- まず、応募作品を各部門ごとに分類し、候補作品を決めます。
- 次に、候補作品を各部門ごとにランキングし、上位3~5作品をノミネートします。
- 最後に、ノミネート作品を最終選考会で討議し、各部門ごとに大賞と優秀賞を決定します。

選考基準は明確に定められていませんが、一般的には以下のような点が重視されます。

- 将棋の魅力や深みを伝えることができるか
- 将棋の知識や技術を正確に説明することができるか
- 将棋の歴史や文化を理解し、敬意を払うことができるか
- 将棋に関係する人物や出来事を生き生きと描くことができるか
- 将棋に対する独自の視点や感想を表現することができるか
- 将棋に興味がない人でも読みたくなるような文章になっているか

以上が、将棋ペンクラブ大賞の選考方法と基準についての説明でした。選考委員は、応募作品をすべて読み込み、慎重に審査しています。その結果、毎年高い水準の作品が受賞しています。

第35回将棋ペンクラブ大賞の受賞作品とその見どころ

最後に、第35回将棋ペンクラブ大賞の受賞作品とその見どころについて紹介します。今年は、以下の作品が受賞しました。

- 観戦記部門 大賞 大川慎太郎 「第70期王座戦五番勝負第4局」 豊島将之-永瀬拓矢(日本経済新聞)

- 観戦記部門 優秀賞 加藤まどか 「第80期名人戦七番勝負第2局」 斎藤慎太郎-渡辺明(毎日新聞)

- 文芸部門 大賞 橋本長道 『覇王の譜』 (新潮社)

- 技術部門 大賞 郷田真隆 『一刀流 郷田真隆矢倉勝局集』 (マイナビ出版)

- 技術部門 優秀賞 上野裕和 『将棋・終盤完全ガイド 速度計算編』 (マイナビ出版)

それぞれの作品の見どころを簡単にご紹介します。


観戦記部門 大賞 大川慎太郎 「第70期王座戦五番勝負第4局」 豊島将之-永瀬拓矢(日本経済新聞)

この観戦記は、2022年2月に行われた王座戦五番勝負第4局の模様をレポートしたものです。この対局は、豊島将之王座と永瀬拓矢名人・棋聖・王位の間で繰り広げられた、まさに「歴史的名勝負」と呼べるものでした。

この対局では、豊島王座が序盤から積極的に攻め込み、永瀬名人を苦しめました。しかし、永瀬名人は冷静に応戦し、中盤から反撃に出ました。両者は激しく駒をぶつけ合い、終盤には互いに王手をかける展開となりました。最後は、永瀬名人が豊島王座の王手をかわし、逆転勝ちを収めました。この対局は、なんと265手に及ぶ長期戦で、史上最長のタイトル戦となりました。

この観戦記は、その壮絶な戦いを詳細に分析し、両者の思考や感情を巧みに描写しています。また、対局の背景や意義、両者の人物像や関係性なども紹介しています。さらに、対局の舞台となった「鹿島神宮」の歴史や文化も取り上げています。この観戦記は、将棋の技術だけでなく、将棋の魅力や深みを多角的に伝える傑作です。

観戦記部門 優秀賞 加藤まどか 「第80期名人戦七番勝負第2局」 斎藤慎太郎-渡辺明(毎日新聞)

この観戦記は、2022年4月に行われた名人戦七番勝負第2局の模様をレポートしたものです。この対局は、斎藤慎太郎名人と渡辺明竜王・棋王・王将の間で繰り広げられた、まさに「若き天才同士の激突」と呼べるものでした。

この対局では、斎藤名人が序盤から攻め気味に進め、渡辺竜王を圧倒しました。しかし、渡辺竜王は中盤から反撃に出て、斎藤名人の攻めを防ぎました。終盤には、斎藤名人が渡辺竜王の玉を追い詰めましたが、渡辺竜王は奇策を繰り出して逆転しました。この対局は、両者が鮮やかな手を次々と打ち出す展開となりました。

この観戦記は、その華麗な戦いを分かりやすく解説し、両者の個性や感情を鮮明に描写しています。また、対局の背景や意義、両者の実力や実績なども紹介しています。さらに、対局の舞台となった「東京スカイツリー」の魅力や特徴も取り上げています。この観戦記は、将棋の技術だけでなく、将棋の楽しさや感動を伝える優れた作品です。


文芸部門 大賞 橋本長道 『覇王の譜』 (新潮社)

この小説は、将棋界の伝説的存在である「覇王」と呼ばれる男の生涯を描いたものです。「覇王」は、幼少期から将棋に没頭し、天才的な才能で次々とタイトルを獲得しました。しかし、「覇王」は、将棋に対する執着や孤独、ライバルや後輩との確執などに苦しみました。そして、最後は自らの手で将棋の世界から去っていきました。

この小説は、架空の人物である「覇王」を主人公としながらも、実在の棋士や将棋界の出来事をモデルにしています。そのため、この小説は、将棋の歴史や文化を深く反映しています。また、この小説は、「覇王」の心理や感情を細やかに描き出し、将棋に対する情熱や苦悩を感じさせます。さらに、この小説は、「覇王」の対局シーンを迫力ある筆致で描き、将棋の美しさや緊張感を伝えます。この小説は、将棋の技術だけでなく、将棋の魅力や深みを表現する傑作です。


技術部門 大賞 郷田真隆 『一刀流 郷田真隆矢倉勝局集』 (マイナビ出版)

この指南書は、現役棋士である郷田真隆八段が自らの矢倉戦法について解説したものです。矢倉戦法とは、将棋の定跡の一つで、玉を囲う形を作る戦法です。郷田八段は、矢倉戦法の第一人者として知られており、多くの勝利を収めています。

この指南書では、郷田八段が自らの勝局を選んで紹介し、その中で用いた矢倉戦法のコツやポイントを詳しく説明しています。また、郷田八段は自らの考え方や感想も述べており、読者に対局の流れや雰囲気を伝えています。さらに、この指南書では、矢倉戦法の基本的な知識や理論も分かりやすく解説しています。この指南書は、将棋の技術だけでなく、将棋の楽しさや感動も伝える優れた作品です。


技術部門 優秀賞 上野裕和 『将棋・終盤完全ガイド 速度計算編』 (マイナビ出版)

この指南書は、現役棋士である上野裕和七段が終盤戦における速度計算について解説したものです。速度計算とは、将棋において相手よりも早く玉を詰ませるか逃げ切るかを判断することです。速度計算は終盤戦において非常に重要な技術であり、勝敗を分けることも多いです。

この指南書では、上野七段が自らの勝局や敗局を選んで紹介し、その中で用いた速度計算の方法やコツを詳しく説明しています。また、上野七段は自らの考え方や感想も述べており、読者に対局の流れや雰囲気を伝えています。さらに、この指南書では、速度計算の基本的な知識や理論も分かりやすく解説しています。この指南書は、将棋の技術だけでなく、将棋の楽しさや感動も伝える優れた作品です。

以上が、第35回将棋ペンクラブ大賞の受賞作品とその見どころについての紹介でした。いかがでしたでしょうか?将棋ペンクラブ大賞は、将棋に関する様々な作品を評価する賞であり、将棋ファンにとっては必読の作品が揃っています。もし興味があれば、ぜひ手に取ってみてください。


まとめ

この記事では、将棋ペンクラブ大賞について、その歴史や選考の秘密、受賞作品の魅力などを徹底的に解説しました。将棋ペンクラブ大賞は、将棋界のアカデミー賞とも言われる、優れた将棋観戦記、将棋関係の著作等に授与される賞です。毎年高い水準の作品が受賞しており、将棋の魅力や深みを伝える役割を果たしています。

この記事を読んで、あなたも将棋ペンクラブ大賞に興味を持っていただけたら嬉しいです。もし気になる作品があれば、ぜひ読んでみてください。きっと将棋の世界に引き込まれることでしょう。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。それではさようなら!

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