【自動思考】あなたの気分は考え方に左右される!認知の歪みを修正してポジティブになろう
こんにちは。今日は自動思考という心理学の用語についてお話ししたいと思います。自動思考とは、自分の意志とは関係なく自動的に湧き出る思考のことで、何かの出来事があった時に瞬間的に浮かぶ考えやイメージを指します。例えば、友達からメールが来ないと「嫌われたのかな?」と不安になったり、上司から怒られたと「私はダメな人間だ」と落ち込んだりするのが自動思考です。
自動思考は人によって傾向や癖があり、これまでの人生で体験した出来事や生活環境によって形作られます。同じ出来事を体験しても人によって反応が異なるのは、それぞれの自動思考の傾向により物事の捉え方が異なるためです。この物事の捉え方や現実の受け止め方を「認知」と言います。つまり、自動思考は個々の認知に影響を与え、認知の違いがその後の気分や行動の違いとして現れるのです。
では、自動思考はどうやって認知に影響を与えるのでしょうか?実は、自動思考に特定の傾向や癖をもたらす潜在的な知識や価値観があります。
それを「スキーマ」と言います。スキーマは、自身や周囲の環境を定義するために過去の経験を体系化した心の設計図です。
例えば、「私は人から愛される価値がない」というスキーマを持っている人は、どんなに親切にされても「裏があるんだろう」と疑ったり、「私は幸せになってはいけない」と罪悪感を感じたりするでしょう。このようにスキーマによって自動思考も影響を受けます。
しかし、スキーマや自動思考は必ずしも正しいとは限りません。何かしらの要因により自動思考が極端にネガティブな方向に偏ると、過度なストレスから合理的な判断が行えない状態に陥ることがあります。
これを「認知の歪み」と呼びます。認知の歪みは10種類あると言われていますが、代表的なものを以下に紹介します。
- 白黒思考:物事を白か黒かではっきりさせないと気が済まない
- 過度な一般化:十分な根拠もなく、それを一般的な法則だと思い込む
- フィルタリング:良い部分を無視して、悪い部分だけ見てしまう
- マイナス思考:全てをマイナスに捉え、自分や他人の価値を下げる
- 結論の飛躍:根拠もなく結論付け、それ以外の考えを否定してしまう
- 誇大視と過小評価:自身の問題を必要以上に大げさに捉え、長所や魅力を低く捉える
- 感情的決めつけ:嫌なものは嫌、ダメなものはダメと感情で決めつける
- すべき思考:「~すべき」「~しなければならない」と脅迫的に思う
- レッテル貼り:自分や挫折した人にネガティブなレッテルを貼る
- 自己関連付け:自分に関係がないことでも自分に責任があると思ってしまう
認知の歪みに陥ると、気分が落ち込んだり、不安や怒りが増したり、自信がなくなったりします。また、行動も消極的になったり、避けたり、攻撃的になったりします。
これらはさまざまな精神疾患の原因や症状として現れることがあります。
では、認知の歪みを修正するにはどうすればいいでしょうか?まずは自分の自動思考やスキーマを客観的に分析することが大切です。
ネガティブな気分の原因となる事柄を特定し、それに対する自分の素直な気持ちを紙に書き出しましょう。このとき思いついた考えは紙に書き出すことが大切です。抽象的な気持ちを視覚化することで、自身の考えを俯瞰的に見られるようになります。
分析を進めると、そのような考えに至る過去の経験 (スキーマ)も見えてくるかもしれません。
自動思考の傾向が見えてきたら、なぜネガティブな考えを持ってしまうのかその根拠を整理しましょう。
自動思考は無意識化で行われるため、普段はネガティブな気持ちが先行してその根拠までは考えないものです。改めて考えてみると、そこまでネガティブになる必要もなかったと思えるかもしれません。
次に、ネガティブな自動思考を修正するためのポジティブな代替案を考えましょう。例えば、「友達からメールが来ない」という状況で「嫌われたのかな?」と不安になっていた場合は、「相手も忙しいのだろう」「メールは返信しなくてもいいものだ」「友達は私のことを好きだ」というようにポジティブに捉えられる可能性もあります。このように代替案を考えることで、自動思考が一方的ではないことに気づきます。
最後に、ポジティブな代替案を信じられるようにするためには、実際に行動してみることが効果的です。例えば、「友達からメールが来ない」という状況で「相手も忙しいのだろう」と考えた場合は、友達に電話してみたり、別の友達と遊んだりすることで、自分は孤立していないことを実感できます。
このように行動することで、ポジティブな代替案が現実的であることを確認できます。
以上のように、自動思考を修正するには、自分の考えを客観的に分析し、根拠を検討し、代替案を考え、行動してみるというステップが必要です。これらのステップは認知行動療法の一つの方法です。認知行動療法は、カウンセリングや心理療法で広く用いられています。
自動思考を修正することで、気分や行動にも変化が現れます。ネガティブな気分から解放され、ポジティブな気分になれます。
消極的な行動から脱却し、積極的な行動に移れます。自信がなかったことに挑戦できるようになります。人間関係も改善され、コミュニケーションが円滑になります。
【まとめ】
自動思考とは、自分の意志とは関係なく自動的に湧き出る思考のことです。自動思考は人の認知に影響を与え、認知の違いがその後の気分や行動の違いとして現れます。自動思考に特定の傾向や癖をもたらす潜在的な知識や価値観をスキーマと言います。スキーマや自動思考がネガティブに偏ると認知の歪みが生じます。
認知の歪みは10種類あると言われていますが、代表的なものは白黒思考や過度な一般化などです。認知の歪みに陥ると、気分が落ち込んだり、不安や怒りが増したり、自信がなくなったりします。また、行動も消極的になったり、避けたり、攻撃的になったりします。これらはさまざまな精神疾患の原因や症状として現れることがあります。
認知の歪みを修正するには、自分の考えを客観的に分析し、根拠を検討し、代替案を考え、行動してみるというステップが必要です。これらのステップは認知行動療法の一つの方法です。認知行動療法はカウンセリングや心理療法で広く用いられています。自動思考を修正することで、気分や行動にも変化が現れます。
ネガティブな気分から解放され、ポジティブな気分になれます。消極的な行動から脱却し、積極的な行動に移れます。自信がなかったことに挑戦できるようになります。人間関係も改善され、コミュニケーションが円滑になります。
この記事では自動思考というテーマについて解説しました。自動思考は誰にでも生じるものですが、ネガティブな自動思考に囚われると、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。自動思考を修正することで、ポジティブになり、より幸せな人生を送ることができます。自動思考の修正は容易ではありませんが、認知行動療法の専門家に相談することで、効果的に行うことができます。
もし自分の思考に悩んでいる方がいましたら、ぜひ一度お試しください。それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
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