【再配達率の推移】宅配便のムダをなくすためにできること
こんにちは、物流に関心のある皆さん。今回は、宅配便の再配達率の推移についてお話ししたいと思います。再配達率とは、宅配便が一度目に届けられなかった場合に、再び配達される割合のことです。再配達は、物流業界や社会にとって大きな問題です。なぜなら、再配達は以下のような悪影響をもたらすからです。
- CO2排出量の増加
- ドライバー不足の悪化
- 配達コストの上昇
- 配達時間の延長
- 顧客満足度の低下
そこで、この記事では、以下の3つの見出しで、再配達率の推移とその背景、そして再配達を減らすためにできることについて解説します。
- 再配達率はどう変化してきたか？
- 再配達率に影響する要因は何か？
- 再配達を減らすためにはどうすればいいか？
それでは、早速見ていきましょう。
再配達率はどう変化してきたか？
まず、再配達率はどう変化してきたかを見てみましょう。国土交通省が行っているサンプル調査によると再配達率は年々減少傾向にあります。
特に、2020年4月には8.5%と大幅に低下しました。これは新型コロナウイルス感染症の影響で在宅時間が増えたことや、宅配ボックスや置き配など多様な受取方法が普及したことが要因と考えられます。
しかし、その後は再び上昇傾向にあり、2020年10月には11.4%まで戻ってしまいました。これは緊急事態宣言の解除や外出自粛要請の緩和などで在宅時間が減少したことが影響したものと考えられます。
再配達率に影響する要因は何か？
次に、再配達率に影響する要因は何かを見てみましょう。再配達率は、宅配便の受取方法や受取時間帯などによって変動します。一般的に、以下のような要因が考えられます。
- 受取人不在：宅配便が届く時に受取人が不在だと再配達になります。これは最も多い原因であり、都市部では約70%以上を占めます。
- 受取拒否：宅配便を受け取りたくない場合や注文した覚えがない場合などに受取拒否すると再配達になります。これは約10%程度を占めます。
- 住所不明：宅配便の送り先の住所が間違っていたり、不明だったりすると再配達になります。これは約5%程度を占めます。
- その他：天候や交通事情などによって配達ができなかった場合や、受取人の都合で再配達を依頼した場合などが含まれます。これは約15%程度を占めます。
再配達を減らすためにはどうすればいいか？
最後に、再配達を減らすためにはどうすればいいかを見てみましょう。再配達は、物流業界や社会にとって大きな負担ですが、消費者や事業者にとってもメリットがあります。再配達を減らすことで、以下のような利点が得られます。
- CO2排出量の削減：再配達を減らすことで、環境に優しい物流が実現できます。国土交通省の試算によると、再配達率を1%削減すると、年間で約3万トンのCO2排出量が削減できるとされています。
- ドライバー不足の解消：再配達を減らすことで、ドライバーの負担や労働時間が軽減されます。これにより、ドライバー不足の解消や離職率の低下につながります。
- 配達コストの低下：再配達を減らすことで、配達効率が向上し、燃料費や人件費などのコストが低下します。これにより、物流業界の収益性や競争力が高まります。
- 配達時間の短縮：再配達を減らすことで、一度目の配達で届けられる確率が高まります。これにより、消費者は早く商品を受け取ることができます。
- 顧客満足度の向上：再配達を減らすことで、消費者は自分の都合に合わせて商品を受け取ることができます。また、事故や紛失などのリスクも低減されます。これにより、消費者はサービスに満足し、リピートや口コミなどにつながります。
では、具体的に再配達を減らすためにはどうすればいいのでしょうか？ここでは、以下の3つの方法を紹介します。
- 宅配ボックスの活用：
宅配ボックスとは、宅配便を受け取るための専用ボックスです。宅配ボックスは自宅やマンションなどに設置されており、ドライバーが宅配便を入れてロックすることで受け取り完了となります。宅配ボックスは受取人不在時でも利用できるため、再配達を防ぐことができます。また、宅配ボックスは防犯や防水などの機能も備えており、商品の安全性も高めます。宅配ボックスの利用は、再配達率を大幅に下げることができる有効な方法です。
- 置き配の利用：
置き配とは、宅配便を受け取るために指定した場所に置いてもらうことです。置き配は、玄関やポストなどに宅配便を置いてもらうことで、受取人不在時でも利用できます。置き配は、事前にインターネットや電話などで申し込む必要があります。また、置き配は商品の破損や盗難などのリスクがあるため、注意が必要です。置き配の利用は、再配達率を下げることができる簡単な方法です。
- 受取時間帯の指定：
受取時間帯の指定とは、宅配便を受け取るために希望する時間帯を指定することです。受取時間帯の指定は、自分の都合に合わせて宅配便を受け取ることができます。受取時間帯の指定は、事前にインターネットや電話などで申し込む必要があります。
また、受取時間帯の指定は、配達業者や地域によって異なる場合があるため、確認が必要です。受取時間帯の指定は、再配達率を下げることができる便利な方法です。
以上の3つの方法は、再配達を減らすために消費者や事業者ができることです。
もちろん、これらだけではなく、他にも再配達を減らすためにできることがあります。例えば、
- 近隣のコンビニや郵便局などで宅配便を受け取る
- スマートフォンやインターホンなどでドライバーと連絡を取る
- 宅配便の追跡や変更などをインターネットで行う
などが挙げられます。これらの方法も再配達率を下げる効果があります。
まとめ
この記事では、再配達率の推移とその背景、そして再配達を減らすためにできることについて解説しました。再配達率は年々減少傾向にありますが、まだ高い水準にあります。
再配達は物流業界や社会にとって大きな問題ですが、消費者や事業者にとってもメリットがあります。再配達を減らすことで、CO2排出量の削減やドライバー不足の解消などの利点が得られます。再配達を減らすためには、宅配ボックスや置き配など多様な受取方法を活用することが有効です。
物流は私たちの生活に欠かせないサービスです。物流をより快適で効率的で環境に優しいものにするためには、消費者や事業者が協力することが必要です。再配達率の低下はその一つの目標です。私たちは再配達率の低下に向けて、何ができるか考えてみましょう。
以上、宅配便の再配達率の推移についてお話ししました。この記事が皆さんの参考になれば幸いです。それでは、また次回お会いしましょう。ありがとうございました。
コメント
コメントを投稿