ジャコビアン様式の魅力を知ろう!イギリスの歴史と文化が詰まった美術と家具
今回は、イギリスのルネサンス期に発展したジャコビアン様式についてご紹介します。ジャコビアン様式とは、どのような特徴や背景を持つのでしょうか?また、日本ではあまり馴染みのないこの様式に魅力を感じる理由は何でしょうか?この記事では、以下の内容についてお話しします。
- ジャコビアン様式とは何か?その定義と歴史
- ジャコビアン様式の建築と家具の特徴と例
- ジャコビアン様式の魅力と日本での評価
それでは、早速見ていきましょう!
ジャコビアン様式とは何か?その定義と歴史
ジャコビアン様式とは、イギリスのジェームズ1世(1603年~1625年)からチャールズ2世(1660年~1685年)までのスチュアート朝時代に発展した美術と家具の様式です。
ジャコビアンという言葉は、ラテン語でジェームズを意味するヤコブス(Jacobus)から派生したもので、この時代の王たちを指す呼称でもあります。
ジャコビアン様式は、中世のゴシック様式からルネサンス様式への過渡期にあたり、垂直性に繊細な装飾が織り交ざった意匠が特徴です。
また、大陸から導入されたイタリアやフランドルの影響も受けています。この時代は、イギリスが絶対王政や清教徒革命などの政治的混乱やロンドン大火などの災害に見舞われた一方で、貿易や文化が発展し、シェイクスピアやベーコンなどの文豪や芸術家が活躍した時代でもあります。
ジャコビアン様式の建築と家具の特徴と例
ジャコビアン様式の建築は、前代のエリザベス朝から引き継いだ垂直性や対称性を基調としつつ、イタリアやオランダから伝わった新古典主義やバロックの要素を取り入れています。また、石材よりもレンガや木材が多く用いられるようになりました。代表的な建築物としては、ハットフィールド・ハウスやクイーンズ・ハウスなどが挙げられます。
ジャコビアン様式の家具は、主にオーク材が使われており、重厚で装飾過多なデザインが多いです。特に脚部にはメロン形や球根形などの挽き物が施されています。また、引き出しや扉付きの家具が増えたことも特徴です。家具には、チューダーローズやリネンホールドなどの彫刻や、木や象牙などの象嵌装飾が施されています。代表的な家具としては、ミュール・チェストやゲートレッグテーブルなどが挙げられます。
ジャコビアン様式の魅力と日本での評価
ジャコビアン様式は、イギリスの歴史と文化が詰まった美術と家具の様式です。この様式は、中世とルネサンスの融合や大陸との交流によって生まれた多様性と独自性を持っています。また、この時代のイギリスは、政治的な危機や社会的な変動に直面しながらも、文化的な発展や創造性を見せた時代でもあります。そのため、ジャコビアン様式は、イギリス人の精神やアイデンティティを表現した様式と言えるでしょう。
日本では、ジャコビアン様式はあまり馴染みのない様式かもしれません。しかし、この様式には、日本人にも共感できる要素があります。例えば、レンガや木材を使った自然素材感や、メロン形や球根形などの挽き物は、日本の伝統工芸にも通じるものがあります。また、チューダーローズやリネンホールドなどの彫刻は、日本の紋章や模様にも似ています。さらに、引き出しや扉付きの家具は、日本の箪笥や戸棚とも共通点があります。
ジャコビアン様式は、イギリスの歴史と文化を知る上で興味深い様式です。また、日本とも共通する部分があることから、親しみやすい様式でもあります。ジャコビアン様式の美術や家具を見ることで、イギリスと日本の文化交流を感じることができるかもしれません。
まとめ
今回は、ジャコビアン様式についてご紹介しました。ジャコビアン様式は、
- イギリスのルネサンス期に発展した美術と家具の様式
- 中世のゴシック様式からルネサンス様式への過渡期にあたり、垂直性に繊細な装飾が織り交ざった意匠が特徴
- 大陸から導入されたイタリアやフランドルの影響も受けている
- イギリスの歴史と文化が詰まった様式であり、イギリス人の精神やアイデンティティを表現した様式
- 日本とも共通する部分があり、親しみやすい様式
ということがわかりました。
ジャコビアン様式は、イギリスの美術史において重要な位置を占めるだけでなく、日本人にも魅力的な様式です。
記事はここまでです。ありがとうございました。
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