【湧水は危険?】雑菌の種類と安全に飲む方法を徹底解説
湧水とは? 地下水が自然に湧き出した水のこと
湧水の仕組みは? 地層で濾過された雨水が地面から流れ出る
湧水とは、地下水が何らかの要因で自然に地表に湧き出したものを呼びます。 山の岩肌から湧き出し滝になっている水や、泉を形成したり鍾乳洞の中に湧き出している水も、湧水の一種となります。
では、なぜ地下水が自然に湧き出すのでしょうか。 湧水の仕組みは、まず地面に染み込んだ雨水等が地層で濾過された後に割れ目に溜まります。 やがてその溜まった水が、新しい雨水に押し出される形で 地面の隙間などから流れ出ると湧水になる というメカニズムです。
なお濾過された雨水が地層の中にある状態は、地下水と言います。 湧水は、昨日今日に降った雨が濾過されて流れ出ているわけでなく、地層の中で何十年もかけて形成された地下水なので、大量に採水してしまうと枯れてしまう恐れがあります。 中には 50年以上前に大地に降った水が湧いているケース も少なくありませんので、未来に湧水を残すには今の内から採水の量や自然環境などを保たなくてはいけません。
湧水を飲む危険性は? 雑菌や病原菌が含まれている可能性がある
自然に湧き出る水は そのまま飲んでも安全なのでは? と思う方が多いです。 確かにペットボトルで売られているミネラルウォーターや天然水も元をたどれば湧水と同じ地下水ですし、湧水を水源にした水道水もあります。
ただ市販の水は 雑菌をろ過するなどして品質管理 されており、もちろん湧水を使った水道水も安心して飲めるように水質検査がされています。 自然に存在している湧水の場合、見た目がきれいでも飲める状態なのか判断することは難しいです。 ここでは 湧水をそのまま飲む危険について ご紹介していきます。
水質検査がされていない湧水は健康を害するおそれがある
湧水が観光名所になっていたり、湧き水を飲みに来る人が多い地域では自治体や保全団体が自主的に水質検査がされていることもありますが、 基本的に湧水は自治体が行う水質検査の対象外 となっているので飲むと危険な場合が多いです。
どれだけ美しい自然の中で湧き出ていても、水はきれいに透き通っていても、 有毒物質や雑菌が含まれていることは十分考えられます 。 水道水のように法律で定期的な水質検査が義務付けられているわけではないので、検査するかどうかはあくまでその自治体の裁量によります。
例えば山の中で人知れず湧き出ている水などはまず検査されていないので、安全と証明されてない 湧水を自己判断で飲んでしまうと、健康を害する危険がある ので注意してください。
エキノコックス・ピロリ菌などに感染するリスクがある
湧水で特に気をつけないといけないのが、野生動物の糞便による エキノコックス、ピロリ菌、クリプトスポリジウムなどの病原微生物 です。 代表的なエキノコックスはキツネに寄生する寄生虫の一種ですが、人間の体内に入ると肝臓などに重大なダメージをもたらすことがあります。
一見すると水はきれいでも、湧水の上流でキツネが糞便を垂れ流していて、湧水がエキノコックスの卵や幼虫に汚染されている可能性があるので要注意です。 また、胃炎の原因になる ピロリ菌は井戸水から感染することが多い とされているのですが、湧水も井戸水も元は地下水で同じなので、湧水にピロリ菌がいても何ら不思議はありません。
ピロリ菌は抗生剤で治療できますが、長く放置していると胃がんの原因になることもあるため、 不用意に湧水を飲んで感染するのは避ける ようにしましょう。
鉱山由来の鉱毒で汚染されている場合がある
また、湧水は見た目がきれいでも昔は稼働していた鉱山由来の鉱毒で汚染され すみません、記事の続きをお待たせしました。😊
また、湧水は見た目がきれいでも昔は稼働していた鉱山由来の鉱毒で汚染されている場合があります。 鉱毒とは、鉱山で採掘された鉱石から金属を抽出する際に発生する廃液や廃棄物のことで、重金属や有害物質が含まれています。 鉱毒は地下水に溶け込んだり、雨水に流されたりして湧水に混入することがあります。
鉱毒に汚染された湧水を飲むと、 鉛中毒やカドミウム中毒などの重金属中毒 になる可能性があります。 重金属中毒は、腎臓や肝臓などの臓器に障害を引き起こしたり、神経系や免疫系に影響を与えたりします。 重症化すると死に至ることもありますので、 鉱山跡地付近の湧水は飲まないように しましょう。
【見出し】湧水を安全に飲む方法は? 水質検査や消毒を行う
湧水は自然の恵みであり、美味しい水として多くの人に愛されています。 しかし、前述したように 湧水をそのまま飲むと危険なこともある ので注意が必要です。 では、どうすれば安全に湧水を飲むことができるのでしょうか。 ここでは 湧水を安全に飲む方法 をご紹介していきます。
水質検査がされている湧水を選ぶ
まず、 水質検査がされている湧水 を選ぶことが大切です。 水質検査は自治体や保全団体などが行っており、検査結果はネット上や現地で公開されています。 水質検査では雑菌や病原菌の有無や数値、重金属や有害物質の濃度などが測定されます。 水質検査がされている湧水は、基準値以下であれば安全に飲めると判断できます。
ただし、 水質検査はあくまでその時点での状況 を反映しているだけであり、常に同じ結果が出るとは限りません。 湧水の上流で何か変化があった場合や、雨季や乾季など季節によっても水質は変わります。 そのため、 水質検査がされている湧水でも最新の情報を確認する ようにしましょう。
消毒剤やろ過器具を使って消毒する
次に、 消毒剤やろ過器具を使って消毒する 方法もあります。 消毒剤は塩素系やヨウ素系などがありますが、使用方法や量を守らないと効果がなかったり、逆に水に有害物質を混入させたりする恐れがあります。 また、消毒剤は水の味や匂いに影響を与えることもありますので、 消毒剤を使う場合は注意してください 。
ろ過器具はポータブルなものから家庭用のものまで様々な種類がありますが、ろ過器具によって除去できる物質や粒子の大きさが異なります。 一般的には 活性炭フィルターは有機物や塩素を除去し、セラミックフィルターは雑菌や病原菌を除去 すると言われています。 ろ過器具を使う場合は、 自分が飲みたい湧水に含まれる可能性のある物質に対応したものを選ぶ ようにしましょう。
沸騰させて殺菌する
最後に、 沸騰させて殺菌する 方法もあります。 沸騰させることで雑菌や病原菌を死滅させることができますが、重金属や有害物質は沸騰しても除去できません。 また、沸騰させると水分が蒸発して濃縮されるため、ミネラル分や塩分などの濃度が高くなります。 そのため、 沸騰させる場合は水質検査がされている湧水を選ぶ ことが望ましいです。
沸騰させる時間は湧水の量や容器の大きさによって異なりますが、一般的には **沸騰したら1分程度煮立てる** のが目安です。 沸騰させた湧水は冷ましてから飲むか、冷蔵庫で保存してください。 保存期間は **2日以内** に飲み切るようにしましょう。
まとめ
この記事では 湧水の仕組みや雑菌の種類、安全に飲む方法など を詳しく解説してきました。 湧水は自然の恵みであり、美味しい水として多くの人に愛されています。 しかし、湧水をそのまま飲むと危険なこともある ので注意が必要です。
湧水を安全に飲むためには、以下のことを守りましょう。
- 水質検査がされている湧水を選ぶ
- 消毒剤やろ過器具を使って消毒する
- 沸騰させて殺菌する
湧水は自然環境や季節によっても変化しますので、常に最新の情報を確認するようにしましょう。 湧水を飲んだ後に体調不良を感じた場合は、すぐに医療機関に相談してください。
以上、湧水についてのブログ記事でした。 湧水に興味のある方はぜひ参考にしてください。
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