【シベリアのシャーマニズムとトナカイ】神秘的な関係を探る

こんにちは、シベリアに興味のある方、いらっしゃいますか？シベリアといえば、広大な大地と厳しい気候、そして多様な民族と文化が思い浮かびますね。

今回は、シベリアの先住民の中でも、トナカイと深い関わりを持つツングース系民族にスポットを当ててみたいと思います。

ツングース系民族とは、満洲からシベリア、極東にかけて住む、ツングース語族に属する言語を話す諸民族のことです。彼らはトナカイを狩ったり、飼ったり、祭ったりして、生活や信仰に欠かせない存在としてきました。

その背景には、どんな神秘的な関係があるのでしょうか？この記事では、シベリアのシャーマニズムとトナカイの関係を探ってみます。

この記事では以下の内容についてお話します。

- シャーマニズムとは何か？

- ツングース系民族のシャーマンが使うトナカイの道具

- トナカイを使った治療や儀式の例

- トナカイと精霊や神とのつながり

シャーマニズムとは何か？

シャーマニズムとは、一般的には、自然界や霊界に存在するさまざまな精霊や神と交流することができる特別な能力を持つ人（シャーマン）が、病気や災厄の原因を探ったり、治療や予言を行ったりする宗教的な現象や行為を指します。

シャーマニズムは世界中に広く分布しており、一様なものではありませんが、共通する特徴としては以下のようなものが挙げられます。

- シャーマンは太鼓や歌や踊りなどでトランス状態に入り、霊界へ旅立ったり、霊力を受けたりする。

- シャーマンは自分の霊魂や動物や植物などの精霊と変身したり合体したりする。

- シャーマンは自分の補佐役として動物や植物などの精霊を呼び出したり操ったりする。

- シャーマンは自分の道具や衣装に動物や植物などの精霊の象徴を取り入れる。

シベリアでは、多くの先住民がシャーマニズムを信仰しており、その中でもトナカイは特別な役割を果たしています。次に見ていきましょう。

ツングース系民族のシャーマンが使うトナカイの道具

ツングース系民族のシャーマンは、トナカイから作ったさまざまな道具を使って儀式を行います。その中でも代表的なものは以下の3つです。

- 尺（杖）

- 太鼓

- 衣装

尺（杖）はシャーマンが持つ杖で、シャーマンを補佐する精霊の象徴であり、トナカイを操る太鼓のバチとしても使います。

尺で占いをしたり、病人にかざしたり、霊界への旅の道具としても使います。尺はトナカイの角や骨や皮で作られています。

太鼓はシャーマンが使う最も重要な道具で、その音で精霊を呼び出し補佐を受けるために使います。

太鼓は木の板の丸い枠に張った皮がトナカイのなめし革であることが多く、シャーマンにとって旅を助ける乗り物であり力の源でもあります。太鼓にはトナカイの霊魂が宿っており、特別な儀式で作られます。

衣装はシャーマンが着る服で、トナカイの革や毛や角などで作られています。衣装にはトナカイの身体の象徴が縫い付けられており、これをまとうことでシャーマンはトナカイに変身したり合体したりすることができます。

トナカイはかつて空を飛ぶ生き物だったという伝承があり、シャーマンはトナカイの能力を借りて霊界へ飛んだりします。

トナカイを使った治療や儀式の例

ツングース系民族のシャーマンは、トナカイを使ってさまざまな治療や儀式を行います。その中でも代表的なものは以下の2つです。

- 病人の治療と手当て

- いけにえと祈願

病人の治療と手当てを頼まれると、シャーマンは病気と関連のある精霊や神と病人の間に介入するという立場を取ります。儀式を進め病んだ身体から悪霊を追い出し、盗まれた霊魂を戻します。

その際にトナカイの脂身や血や内臓などを食べたり飲んだりして体内の精霊をもてなしたり、尺や太鼓などで占ったり呼び出したりします。

また補佐役の別の精霊に呼びかけることも多く、これはトナカイとされ、ヒトの身体から病気を抜き取ってその精霊に引き受けるように頼みます。さらに病人の患部をトナカイの「胎内」（内臓を抜いた腹）におさめたり、取り出した内臓を輪の形に広げて病人にくぐらせたりする治療法もあります。

いけにえと祈願は一般に「聖なる場所」で捧げられます。通常は森の中の聖域や、精霊や神の住まいとされる木のうろなどです。

捧げものにはトナカイの皮やひづめや角などを用意して木の枝に吊るし、神にトナカイを丸ごと一体、供した象徴とします。

いけにえにされるトナカイには色の付いた布を首に結びます。布の色にはそれぞれ、白は空、黒は地下世界、赤は死を免れない地上の命を象徴します。精霊の性別に合わせてトナカイを選びます。また毛皮の色により、どの個体をいけにえにするか決めます。

通常、共同で捧げる頭数は3頭もしくは7頭です。祈りを唱和する儀式に続き、トナカイをほふりますが、雪上に一滴の血も垂らさずに皮をはぎます。肉は生のまま塩を付けて食べ、胃と心臓と肝臓は煮て参列者が食べます。

最後に感謝の祈りを唱和すると儀式は終わります。参列者の手でトナカイの皮と骨を樹上に吊るし、「〔骨に〕新しい肉をまとわせ、地上界の人の役に立つ」ように、霊魂を「獲物の守り手もしくは動物の神」の元に返します。

トナカイと精霊や神とのつながり

ツングース系民族のシャーマニズムでは、トナカイは精霊や神と密接なつながりを持っています。トナカイはシャーマンの乗り物や力の源であり、霊界と地上界を行き来することができます。

トナカイはかつて空を飛ぶ生き物だったという伝承があり、その能力をシャーマンに貸してくれます。

トナカイはシャーマンの補佐役や病気の引き受け役でもあり、シャーマンに協力してくれます。トナカイは神や精霊へのいけにえや贈り物でもあり、人間と霊界との交流や調和を促します。

トナカイはツングース系民族にとって生活や信仰に欠かせない存在です。

彼らはトナカイから得た肉や皮や角や毛などで生活用品や衣服や道具などを作りました。

彼らはトナカイから得た知恵や力や霊魂などで儀式や治療などを行いました。彼らはトナカイから得た恩恵や尊敬や感謝などでいけにえや祈願などを捧げました。

トナカイはツングース系民族の文化と経済と宗教に深く関わっています。

まとめ

この記事では、シベリアのシャーマニズムとトナカイの関係を探ってみました。ツングース系民族はシベリアから満洲にかけて住む民族で、トナカイと深い関係を持っています。

彼らはシャーマニズムを信仰し、トナカイから作った道具や衣装で儀式や治療を行います。またトナカイを精霊や神へのいけにえや贈り物として捧げます。トナカイは彼らにとって乗り物や力の源や補佐役や病気の引き受け役など様々な役割を果たしています。トナカイは彼らの生活や信仰に欠かせない存在です。

シベリアのシャーマニズムとトナカイの関係は、神秘的で興味深いものですね。トナカイと人間との共生や交流は、シベリアの自然や文化や歴史を反映しています。トナカイはシベリアのシャーマニズムにおいて、重要な役割を果たしています。

以上、シベリアのシャーマニズムとトナカイについてお話しました。この記事が皆さんの知識や興味の一助になれば幸いです。ありがとうございました。