ブルーベリーとクマバチの関係は?害虫でも益虫でもない?

ブルーベリーは美味しいだけでなく、健康にも良い果物ですが、その受粉にはクマバチが大きな役割を果たしているのをご存知でしょうか?

クマバチはブルーベリーの花の蜜を吸うために訪れますが、その際に花粉を運んでくれるのです。しかし、クマバチは横穴を開けて蜜を吸うこともあり、花に傷をつけることもあります。

では、ブルーベリー栽培にとってクマバチは害虫なのか益虫なのか、どちらなのでしょうか?この記事では、以下の内容について解説します。

 - クマバチとはどんな虫なのか 
- クマバチがブルーベリーの受粉に与える影響 
- クマバチがブルーベリーの花に横穴を開ける理由と対策
- クマバチを呼び込む方法と注意点

それでは、早速見ていきましょう。

【クマバチとはどんな虫なのか】

クマバチはハナバチ科に属するハチの一種で、日本では約30種類が分布しています。その名前の通り、体毛がふさふさしていて熊のような見た目をしています。また、体長は2~3cmと大きく、空中でホバリングしながら飛ぶ姿は迫力があります。クマバチは針がありませんが、咬みつくことで攻撃することがあります。

しかし、人間に対しては基本的に穏やかで、刺激されない限り攻撃しません。 クマバチは主に春から秋にかけて活動し、様々な花から蜜や花粉を採集します。

その中でもブルーベリーの花はクマバチにとって魅力的な食源です。では、クマバチがブルーベリーの受粉にどのような影響を与えるのでしょうか?

 

【クマバチがブルーベリーの受粉に与える影響】

ブルーベリーは自家不和合性という性質を持っており、同じ品種同士では受粉しないため、異なる品種の花粉を運んでくれる虫が必要です。

その役割を果たしてくれるのがクマバチやミツバチなどのハチ類です。特にクマバチはブルーベリーの花冠から頭部を差し込んで蜜を吸う際に、背中や腹部に花粉を付着させて運びます。また、クマバチはブルーベリーの花冠を振動させることで花粉を飛ばす「振動採集」という方法も使います。

これらの方法により、クマバチはブルーベリーの受粉率や着果率を高めることができます。

実際に、クマバチがブルーベリーの受粉に関与すると、果実の大きさや重さ、糖度などの品質が向上することが報告されています。 

 しかし、クマバチはブルーベリーの花に横穴を開けて蜜を吸うこともあります。これはなぜなのでしょうか?そして、どのような対策が必要なのでしょうか?

 

【クマバチがブルーベリーの花に横穴を開ける理由と対策】

クマバチがブルーベリーの花に横穴を開けるのは、蜜を効率的に吸うためです。ブルーベリーの花は花冠が長くて細く、蜜が奥にあるため、クマバチは花冠から頭部を差し込んで蜜を吸う必要があります。しかし、これは時間やエネルギーがかかります。

そこで、クマバチは花冠の基部に横穴を開けて、直接蜜を吸うようにします。これは「穿孔吸蜜」と呼ばれる行動です。 穿孔吸蜜はクマバチにとっては効率的ですが、ブルーベリー栽培にとっては問題です。なぜなら、横穴から蜜を吸われると、花粉が運ばれないため受粉しない可能性が高まります。

また、横穴から雨水や菌が侵入することで、花が萎れたり枯れたりすることもあります。 では、クマバチの穿孔吸蜜を防ぐにはどうすればいいのでしょうか?残念ながら、完全に防ぐ方法はありませんが、以下のような対策が考えられます。

 - 花冠の長さや形状が異なる品種を混植することで、クマバチが横穴を開けにくくする。
 - ミツバチや他のハナバチ類を誘引することで、クマバチの比率を減らす。
 - 花期に合わせてハウス栽培やネット張りなどでクマバチの侵入を防ぐ。
 - クマバチに対して人工的な刺激や威嚇を与えることで追い払う。

 ただし、これらの対策にもメリットとデメリットがあります。例えば、ハウス栽培やネット張りはクマバチだけでなく他の受粉虫も遮断してしまう可能性があります。また、人工的な刺激や威嚇はクマバチを怒らせて攻撃される危険性もあります。したがって、自分の環境や目的に合わせて適切な対策を選択する必要があります。

 

【クマバチを呼び込む方法と注意点】

一方で、クマバチを呼び込む方法もあります。クマバチを呼び込む方法もあります。クマバチは様々な花から蜜や花粉を採集しますが、特に青や紫の色に惹かれます。また、甘い香りや花粉の多さもクマバチにとって魅力的です。したがって、ブルーベリーの近くに青や紫の花を植えたり、甘い香りのする花を咲かせたりすることで、クマバチを誘引することができます。例えば、以下のような花がクマバチに好まれます。

 - ラベンダー 
- ヒヤシンス
 - リナリア
 - フォーゲットミーノット 
- サルビア 
- アガパンサス 

 これらの花はブルーベリーと相性が良く、同じ土壌や水やりで育てることができます。

また、これらの花は他の受粉虫も引き寄せる効果があります。ただし、クマバチを呼び込む際には以下の点に注意する必要があります。 

 - クマバチは人間に対して基本的に穏やかですが、刺激されると咬みつくことがあります。特に巣に近づくと攻撃的になることがあります。したがって、クマバチの巣を見つけた場合は近づかないようにしましょう。 

- クマバチはブルーベリーの花だけでなく、他の花からも蜜や花粉を採集します。そのため、ブルーベリーの受粉率を高めるためには、他の花とブルーベリーの距離を適切に調整する必要があります。一般的には、他の花よりもブルーベリーの方が近くにあるほど、クマバチはブルーベリーの受粉に関与しやすくなります。 

- クマバチは農薬に弱いです。特に殺虫剤や殺菌剤はクマバチに有害です。

したがって、ブルーベリー栽培では無農薬や有機栽培を心がけることが望ましいです。もし農薬を使用する場合は、クマバチの活動時間や花期を避けて散布することが重要です。 

 以上、ブルーベリーとクマバチの関係についてお話ししました。ブルーベリー栽培にとってクマバチは害虫でも益虫でもなく、両面性を持つ存在です。

しかし、クマバチはブルーベリーの受粉率や品質を向上させることができる貴重なパートナーでもあります。

適切な対策や誘引方法を取り入れて、クマバチと上手に付き合っていきましょう。 それでは、この記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。


この記事がブルーベリー栽培に役立つ情報となれば幸いです。また次回お会いしましょう。

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