【衝撃】大韓航空ナッツ・リターン事件の真相とその後!

こんにちは、今回は、2014年に世界中で話題になった大韓航空ナッツ・リターン事件について、詳しくご紹介したいと思います。

この事件とは、大韓航空の副社長だった趙顕娥(チョ・ヒョナ)さんが、ニューヨークから仁川へ向かうエアバスA380のファーストクラスに乗っていた際、機内提供のナッツが袋に入ったままだったことに激怒し、客室乗務員を罵倒し、チーフパーサーを降ろすように要求し、飛行機を搭乗ゲートに引き返させたというものです。

この事件は、韓国の財閥(チェボル)の横暴さや家族経営の問題点を浮き彫りにし、韓国国内や海外で大きな批判を受けました。

趙さんは刑事事件に発展し、実刑判決を受けましたが、その後も一族のスキャンダルが止まらず、最終的には父親である韓進グループの会長も取締役会から追放されるという結末を迎えました。

この記事では、以下の内容についてお伝えします。

- 事件の経緯とその影響
- 趙さんとその一族のその後
- 韓国の財閥や航空業界への反省と改革

それでは早速見ていきましょう!


事件の経緯とその影響


事件が起きたのは、2014年12月5日の深夜です。趙さんは、自社のエアバスA380にファーストクラスで乗っていました。飛行機は離陸準備をして滑走路へ向かっていましたが、その途中で趙さんは客室乗務員からナッツを提供されました。

しかし、趙さんはナッツが袋に入ったままだったことに不満を持ちました。なぜなら、大韓航空のマニュアルでは、ナッツは皿に盛って提供することになっていたからです。

趙さんは客室乗務員に対して、「機内サービスがなっていない」と激怒しました。客室乗務員はマニュアルに従った行動だったと説明しようとしましたが、趙さんは聞く耳を持ちませんでした。

趙さんはマニュアルを見せるように要求しましたが、チーフパーサーが持ってきたタブレット端末は正しいパスワードが入力されておらず、マニュアルが見せられませんでした。これにさらに怒った趙さんはチーフパーサーに対して、「今すぐ飛行機から降りろ」と絶叫しました。

機長は趙さんが何故怒っているのか分からなかったものの、趙さんの指示に従って飛行機を搭乗ゲートに引き返させました。

このため、飛行機は20分遅れで出発し、11分遅れで仁川に到着しました。しかし、乗客には一切事情の説明がありませんでした。

この事件は、韓国外のマスメディアが一斉に報道したことで世界中に知られるようになりました。韓国国内では、趙さんが機長に指示を与えたことが越権行為にあたるのではないかとの批判がありました。

また、趙さんは創業家である趙一族の一員であり、家族経営の問題点を象徴する存在として非難されました。趙さんは「ナッツ姫」と揶揄されるようになりました。


趙さんとその一族のその後


事件後、趙さんは大韓航空の副社長を辞任しましたが、その後も一族のスキャンダルは止まりませんでした。趙さんは航空機の安全な運航の妨害や、脅迫、職権乱用などの罪で起訴され、2015年2月に有罪判決を受けました。

趙さんは約5カ月間実刑に服しましたが、2015年5月に保釈されました。その後、2018年3月に大韓航空の姉妹会社である韓進物産の専務として経営に復帰しました。

趙さんの妹である趙顕旼(チョ・ヒョンミン)さんも、2018年4月に大韓航空の専務だった時に会議中に水の入ったボトルを壁や同僚に向かって投げたという暴力事件を起こしました。

この事件は「水ボトル事件」と呼ばれました。趙顕旼さんは暴力行為や職権乱用などの罪で起訴されましたが、2019年1月に無罪判決を受けました。

趙姉妹は2018年4月に全ての役職から解任されましたが、その後も一族の不正や暴力が次々と明るみに出ました。

例えば、趙姉妹は自社の飛行機やホテルを私的に利用したり、自社の従業員や関係者を罵倒したり、暴力を振るったりしていたことが報告されました。

また、父親である趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長も2018年10月に横領や背任などの罪で起訴されました。

これらのスキャンダルは、韓国国内で財閥や家族経営への反発を強めました。特に大韓航空の労働組合や株主は、趙一族から経営権を奪うよう求めました。2019年3月に行われた大韓航空の取締役会では、趙会長が取締役から追放されるという歴史的な決定が下されました。

これは韓国大手企業の創業者一族が取締役会から強制的に離脱されたのは趙会長が初めてでした。これは財閥の権力を抑制しようとする動きにとっての勝利だとする見方もありました。


韓国の財閥や航空業界への反省と改革


ナッツ・リターン事件は、韓国の財閥や航空業界に対する反省と改革を促すきっかけとなりました。韓国では、創業者一族が経営権を握る財閥が多く、その横暴さや不正が社会的な問題となっていました。

特に大韓航空は、韓進グループの中核企業であり、国際的な代表格でもありましたが、趙一族のスキャンダルによってそのイメージが大きく傷つけられました。

韓国政府は、財閥の不正や暴力を厳しく取り締まる方針を打ち出しました。2018年12月には、財閥の経営者やその家族が従業員や関係者に対して暴力や侮辱を行った場合、最高で5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金に処する「趙顕娥法」が成立しました。

また、財閥の経営権の世襲や不正な資金移動を防ぐためにも、法律や制度の改正が進められました。

一方、航空業界では、ナッツ・リターン事件を契機に、客室乗務員の労働環境や権利の向上が求められました。客室乗務員は、長時間労働や低賃金、パワハラやセクハラなどにさらされているという現状が指摘されました。

特に大韓航空の客室乗務員は、趙一族からの圧力や暴力に耐えてきたという声がありました。客室乗務員は労働組合を結成し、給与や待遇の改善、趙一族からの経営権の分離などを要求しました。2019年6月には、大韓航空の客室乗務員がストライキを実施しました。

これらの動きによって、大韓航空は経営改革を迫られることになりました。2019年4月には、趙会長が死去しました。その後、趙会長の息子である趙源泰(チョ・ウォンテ)さんが会長に就任しましたが、彼もまた2019年10月に横領や背任などの罪で起訴されました。

2020年3月には、大韓航空と韓進グループが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で経営危機に陥りました。そのため、政府系金融機関から約3兆ウォン(約2700億円)の支援を受けることになりましたが、その条件として趙一族から経営権を分離することが求められました。

2020年11月には、大韓航空が同じく経営危機に陥っていたアシアナ航空を買収することが発表されましたが、これも政府の支援の一環であり、趙一族の経営権は大幅に減少することになりました。


まとめ


以上が、大韓航空ナッツ・リターン事件の真相とその後についての記事でした。この事件は、韓国の財閥や航空業界に対する反省と改革を促すきっかけとなりました。

趙一族は、多くのスキャンダルや不正によって社会的な信頼を失い、経営権を奪われることになりました。一方、客室乗務員や株主は、趙一族からの圧力や暴力に抵抗し、自らの権利を主張しました。

韓国では、創業者一族が経営権を握る財閥の問題が依然として残っていますが、この事件はその変化の一つの兆しと言えるかもしれません。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた!

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