エドテックってなに?教育と最新技術を融合させた新しい教育の形態
エドテックとは、教育と最新技術を融合させた新しい教育の形態です。エドテックは、学習者や教員にとってさまざまなメリットがありますが、一方で課題もあります。
学習者一人ひとりが、ある単元を理解できるまでの時間は異なります。
一方、理解が早い学習者もいます。atama+ EdTech研究所で先取りについて調査した結果、AIを用いた学習システム「atama+」を使って学習している小学生のうち5人に1人が、上の学年の内容を理解していることがわかっています。
この記事では、エドテックの意味や背景、メリットとデメリット、具体例などを紹介します!
- エドテックとは何か?
- エドテックが注目されている理由
- エドテックのメリットとデメリット
- エドテックの具体例
- まとめ
それでは、記事を始めましょう。
エドテックとは何か?
エドテックとは、教育を意味する「Education」と技術を意味する「Technology」を合わせた造語です。エドテックは、「科学技術(AIやビッグデータなど)を使った教育」という意味で、「科学技術を教える教育」という意味ではありません。 エドテックには、いわゆる教材から学習プラットフォームや学習管理ツールまで幅広い種類があります。
学習者や教員のニーズに応じて、最適なエドテックを選択することができます。
エドテックは、既存の産業とデジタルやICT(情報通信技術)、AIやビッグデータなどをかけ合わせることで、新しい製品やサービスが生まれることを「クロステック」といいます。
エドテックもクロステックの一つと位置付けられています。
そのほかにも、金融とテクノロジーをかけ合わせたフィンテック(FinTech)、広告とテクノロジーをかけ合わせたアドテック(AdTech)、人材とテクノロジーをかけ合わせたエイチアールテック(HRTech)など、さまざまな業界にクロステックが存在しています。
エドテックが注目されている理由
エドテックが教育業界内で注目されている最大の理由は「学習者にメリットがあるから」です。以下で詳しくご説明します。
【学習者一人ひとり、習得するまで学習できる】
atama+ EdTech研究所で習得までにかかる時間を調査した結果では、習得が速い生徒とゆっくりな生徒で習得にかかる時間には約5倍の開きがあることがわかっています。
しかし、日本のほとんどの教育機関では授業カリキュラムが決まっていますので、それに基づいて指導すると、どうしても時間が余ってしまう生徒も、最後まで理解できない生徒も発生してしまいます。
また、理解できなかったときも「授業内容の宿題」や「授業内容の復習」だけでは不十分です。人が何かを習得する際、必ずその学習をするために必要になる土台知識があります。
例えば、小学6年生で「おうぎ形の面積」を学習します。ここを学習するためには「円の面積」「小数の掛け算・割り算」を理解していなければいけません。
しかし、atama+ EdTech研究所で中学生のつまずきについて調査した結果、中学生の78%が前学年以前のどこかの単元につまずきを抱えていることがわかっています。
そして、そのつまずきは一人ひとり異なるのです。
このように、一人ひとりが学習すべき内容が異なるなか、エドテックを使うと個別最適化された学習がリコメンドされます。
自分のつまずきはなかなか自分では発見できませんし、把握できても適切な難易度の教材を選択することは容易ではありません。
エドテックはつまずきの発見とその後の学習内容のリコメンドの両方をおこなうことができるので、一人ひとりが完璧に習得するまで学習できます。これが一つ目の理由です。
【先に進める人はどんどん先に進める】
学習が早い場合、悩むことはないと思われがちですが、そんなことはありません。
すぐにわかってしまうことで周りとの違いを感じたり、別の内容を学習したいのにその内容を質問すると場の空気に合わないと悩んだりしています。せっかく高い理解力を持っているのに「勉強は面白くない」となってしまうのです。
文部科学省もこの問題を解決すべく、2023年度予算案で、特異な才能のある子どもの支援に向け8000万円を計上しました。
その背景となる審議は、「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議審議のまとめ」 に掲載されています。
本来、学習には学年による境界はありませんので、エドテックを使えばどんどん進むことができます。図形・仮定法・植物・天体・プログラミング・プレゼンテーションなど、学習者が学びたい分野を自由に選択できます。学びたい内容を学ぶことが
かしこまりました。
学びたい内容を学ぶことができると、学習者は自分の興味や関心に応じて学習を深めることができます。また、自分のペースで学習できることで、学習のモチベーションや自信も高まります。これが二つ目の理由です。
【学習者の成長を可視化できる】
エドテックを使うと、学習者の成長を可視化することができます。エドテックは、学習者の学習履歴や成績、理解度や進度などをデータとして収集し、分析し、フィードバックします。 これにより、学習者は自分の強みや弱み、得意な分野や苦手な分野、目標や課題などを客観的に把握することができます。
また、自分の成長をグラフやバッジなどで視覚的に確認することができます。これは、学習者の自己評価や自己効力感を高める効果があります。
さらに、エドテックは、学習者の成長を教員や保護者にも共有することができます。教員は、エドテックから得られるデータをもとに、学習者一人ひとりに合わせた指導やアドバイスを行うことができます。
保護者は、エドテックから得られるデータをもとに、子どもの学習状況や成果を把握し、サポートすることができます。これは、教育関係者間のコミュニケーションや協力を促進する効果があります。
エドテックのメリットとデメリット
エドテックには、上記のようなメリットがありますが、一方でデメリットもあります。以下で詳しくご説明します。【メリット】
- 学習者一人ひとりに最適化された学習が可能- 学習者の興味や関心に応じた学習が可能
- 学習者の成長を可視化し、フィードバックが可能
- 教員や保護者との連携が可能
- 学習時間や場所に制約が少ない
- 学習コストが低い
- 学習内容が豊富で最新
【デメリット】
- 学習者の自主性や責任感が低下する可能性- 学習者のコミュニケーション能力や協調性が低下する可能性
- 学習者のプライバシーやセキュリティが侵害される可能性
- エドテックの品質や信頼性が不十分な場合
- エドテックの操作や管理に技術的な問題が発生する場合
- エドテックに過度に依存する場合
エドテックの具体例
エドテックにはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。【オンライン学習】
オンライン学習とは、インターネットを通じて教材や授業を提供するエドテックです。オンライン学習には、動画やテキスト、クイズなどの教材を自分のペースで学習できる「自己学習型」や、教員や他の学習者とリアルタイムにコミュニケーションしながら学習できる「対話型」などがあります。 オンライン学習の例としては、以下のようなものがあります。
- MOOC(Massive Open Online Course):大規模公開オンライン講座とも呼ばれる、世界中の誰でも無料で参加できるオンラインコースです。有名大学や企業が提供しており、様々な分野の知識やスキルを学ぶことができます。例えば、CourseraやedXなどがあります。
- オンライン英会話:英語を話せるネイティブスピーカーや講師とビデオチャットで英会話を学ぶことができるサービスです。自分のレベルや目的に合わせてレッスンを選ぶことができます。例えば、DMM英会話やレアジョブ英会話などがあります。
- オンラインプログラミング:プログラミング言語や開発ツールをオンラインで学ぶことができるサービスです。動画やテキストだけでなく、実際にコードを書いて動かすこともできます。例えば、ProgateやCodecademyなどがあります。
【AI学習】
AI学習とは、人工知能(AI)を使って学習者の理解度や進度、傾向などを分析し、最適な学習内容や方法を提供するエドテックです。AI学習には、AIが教材や問題を生成したり、AIが教員やチューターの役割を果たしたりするものがあります。 AI学習の例としては、以下のようなものがあります。
- atama+:小中高生向けのAI学習システムです。atama+は、国語・数学・英語・理科・社会の5教科に対応しており、一人ひとりに合わせた最適な教材を提供します。また、atama+は、学習者のつまずきや先取りを発見し、その原因と解決策を提示します。
- Surala:小中高生向けのAI算数塾です。Suralaは、算数の基礎から応用までカバーしており、AIが算数の苦手な単元を見つけてくれます。また、Suralaは、算数に関するさまざまな問題形式を用意しており、AIが最適な問題レベルを設定します。
- TOEIC AI Coach:TOEIC(英語能力試験)受験者向けのAIコーチングサービスです。TOEIC AI Coachは、TOEICに関する知識や技術だけでなく、受験者の心理的な要因も考慮して最適な勉強法を提案します。
【エドテック(教育×テクノロジー)】
エドテックとは、教育とテクノロジーを融合させた新しい教育の形態です。エドテックは、学習者や教員にとってさまざまなメリットがありますが、一方で課題もあります。エドテックは、教育を意味する「Education」と技術を意味する「Technology」を合わせた造語です。エドテックは、「科学技術(AIやビッグデータなど)を使った教育」という意味で、「科学技術を教える教育」という意味ではありません。
エドテックには、いわゆる教材から学習プラットフォームや学習管理ツールまで幅広い種類があります。 学習者や教員のニーズに応じて、最適なエドテックを選択することができます。
エドテックは、既存の産業とデジタルやICT(情報通信技術)、AIやビッグデータなどをかけ合わせることで、新しい製品やサービスが生まれることを「クロステック」といいます。 エドテックもクロステックの一つと位置付けられています。
そのほかにも、金融とテクノロジーをかけ合わせたフィンテック(FinTech)、広告とテクノロジーをかけ合わせたアドテック(AdTech)、人材とテクノロジーをかけ合わせたエイチアールテック(HRTech)など、さまざまな業界にクロステックが存在しています。
エドテックは、近年急速に発展しており、世界的にも注目されています。
2020年のコロナ禍によって、オンラインでの教育や学習が急増しました。その影響で、エドテック市場の規模も拡大しました。2020年の世界のエドテック市場の規模は約1兆円でしたが、2025年には約3兆円に達すると予測されています。
日本でも、政府や自治体がエドテックの導入や支援に積極的に取り組んでいます。例えば、文部科学省は「GIGAスクール構想」を推進しており、2023年度までに全国の小中学校に1人1台のタブレット端末を配布することを目指しています。
また、東京都は「東京都オンライン高等学校」を開設しました。これは日本初の公立オンライン高校であり、通常の高校と同じカリキュラムや単位制度を持ちながらも、インターネット上で授業や課題を受けることができます。
まとめ
この記事では、エドテックについてご紹介しました。 エドテックとは、
- 教育と最新技術を融合させた新しい教育の形態
- 学習者や教員にとってさまざまなメリットがあるが、課題もある
- オンライン学習やAI学習など、さまざまな種類がある
- 近年急速に発展しており、世界的にも注目されている
ということがわかりました。
エドテックは、教育の未来を切り開く可能性を秘めています。
しかし、エドテックにはまだまだ改善や発展の余地があります。エドテックを使う際には、そのメリットとデメリットをしっかりと理解し、自分に合ったエドテックを選ぶことが大切です。
エドテックに興味のある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。エドテックの世界は、あなたを待っています。
それでは、この記事はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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