【子どもの自己肯定感を高める】モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育の専門家が教える、自分でできる子に育つほめ方叱り方

こんにちは、子どもの発達と教育に関心のある皆さん。今回は、モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士の島村華子さんの著書『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象』を紹介します。

この本は、親の声かけ次第で子どもの自己教育力や自己肯定感が高まるということを、科学的な根拠と具体的な事例で説明してくれます。ほめ方や叱り方によって、子どもが自分で考えて行動する力や自信を持つ力が変わってくるということを知っておくと、子育てに役立つと思います。

この記事では、本書から以下の3つのポイントを抜粋してご紹介します。

- 自分でできる子に育つほめ方
- 自分でできる子に育つ叱り方
- 子どもとつながる聞く習慣

それでは、早速見ていきましょう。


自分でできる子に育つほめ方


子どもをほめるときには、どんな言葉を使っていますか?「すごい!」「よくできたね!」「さすがだね!」などと言っていませんか?これらは一見ポジティブなほめ言葉ですが、実は子どもにとってあまり良くない影響を与えているかもしれません。

本書では、ほめ言葉には3種類あると説明しています。それは、

- おざなりほめ:「すごい!」「やったね!」など、具体性や感情が伝わらないほめ言葉
- 人中心ほめ:「よくできたね!」「才能あるよ!」など、能力や性格を評価するほめ言葉
- プロセス中心ほめ:「一生懸命やったね!」「工夫したんだね!」など、努力や姿勢ややり方を認めるほめ言葉

このうち、自分でできる子に育つのはプロセス中心ほめだけだということです。おざなりほめや人中心ほめは、子どもに以下のようなマイナス効果を与えてしまいます。

- 子どもの内発的動機(自分の興味や好奇心から行動する力)を低下させる
- 子どもの自己評価(自分の能力や価値を判断する力)を不安定にする
- 子どもの挑戦心(難しいことに取り組む意欲)を減らす
- 子どもの創造性(新しいことを考えたり作ったりする力)を阻害する

では、プロセス中心ほめはどうすればいいのでしょうか?本書では、ほめるときの3つのポイントを紹介しています。それは、

- 成果よりも、プロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる
- もっと具体的にほめる
- もっと質問する

これらのポイントを実践することで、子どもは以下のようなプラス効果を得られます。

- 子どもの内発的動機が高まる
- 子どもの自己評価が安定する
- 子どもの挑戦心が増す
- 子どもの創造性が育まれる

具体的なほめ方の例として、本書では以下のようなケースを挙げています。

- 字が上手に描けたとき:「字が上手に描けたね!」「どうやって練習したの?」「どんな気持ちで書いたの?」

- お手伝いをしたとき:「お手伝いありがとう!」「どうしてお手伝いしたくなったの?」「お手伝いすることで何が変わったと思う?」

- 友達に優しくできたとき:「友達に優しくできたね!」「友達はどんな反応をした?」「優しくすることで自分はどう感じた?」

- 見た目を褒めるとき:「髪型がかわいいね!」「どうやって決めたの?」「その髪型にしたら何が楽しい?」

- 自分で服を着られたとき:「自分で服を着られたね!」「どうやって選んだの?」「その服を着て何がしたい?」

- パパの似顔絵を描いたとき:「パパの似顔絵を描いたんだね!」「どこから描き始めたの?」「パパに見せたらどうなった?」

- 横断歩道を渡れたとき:「横断歩道を渡れたね!」「どうやって安全に渡ったの?」「横断歩道を渡ることで何ができるようになった?」

- 発表会などがうまくいったとき:「発表会がうまくいったね!」「どんな準備をしたの?」「発表することで何が伝えられた?」

- トイレでおしっこができたとき:「トイレでおしっこができたね!」「どうやってトイレに行ったの?」「トイレに行けるようになって嬉しい?」

- テストの点数がよかったとき:「テストの点数がよかったね!」「どんな勉強法をしたの?」「テストで得られた知識は何に役立つ?」

このように、プロセス中心ほめは、子どもの行動や思考や感情に対して具体的に言及し、質問することで、子どもに自分自身を認めてもらう機会を与えます。これは、子どもの自己肯定感や自信を高める効果があります。


自分でできる子に育つ叱り方


子どもを叱るときには、どんな言葉を使っていますか?「ダメだ!」「早くしなさい!」「どうして約束が守れないの?」など言ったり、子どもを叱らないで放置するのも良くありません。子どもには、自分の行動に対する責任や規範を理解させる必要があります。では、どうすれば良いのでしょうか?

本書では、叱り方には2種類あると説明しています。それは、

- 人中心叱り:「ダメだ!」「悪い子だ!」「もう嫌だ!」など、子どもの能力や性格や感情を否定する叱り方

- 行動中心叱り:「危ないよ!」「やめて!」「約束を守ろう!」など、子どもの行動や結果に対して指摘する叱り方

このうち、自分でできる子に育つのは行動中心叱りだけだということです。人中心叱りは、子どもに以下のようなマイナス効果を与えてしまいます。

- 子どもの自己肯定感や自信が低下する
- 子どもの反抗心や攻撃性が高まる
- 子どもの学習意欲や好奇心が減退する
- 子どもの協力性や社会性が損なわれる

では、行動中心叱りはどうすればいいのでしょうか?本書では、叱るときの3つのポイントを紹介しています。それは、

- 行動や結果に対して、具体的に問題点を伝える
- 子どもに改善策や代替案を考えさせる
- 子どもに謝罪や修正や反省を促す

これらのポイントを実践することで、子どもは以下のようなプラス効果を得られます。

- 子どもの自己肯定感や自信が保たれる
- 子どもの反抗心や攻撃性が抑制される
- 子どもの学習意欲や好奇心が刺激される
- 子どもの協力性や社会性が育まれる

具体的な叱り方の例として、本書では以下のようなケースを挙げています。

- 食事中にテレビを見たがるとき:「食事中にテレビを見ると何が問題だと思う?」「食事中にテレビを見ないで済む方法は何だと思う?」「食事中にテレビを見ないでお願いできる?」

- 宿題をしないで遊んでいるとき:「宿題をしないで遊んでいると何が困ると思う?」「宿題を早く終わらせる方法は何だと思う?」「宿題を終わらせてから遊ぶことはできる?」

- 約束した時間に帰ってこないとき:「約束した時間に帰ってこないと何が起こると思う?」「約束した時間に帰ってくる方法は何だと思う?」「約束した時間に帰ってこなかったことに対して何か言いたいことはある?」
- おもちゃを片付けないで放置するとき:「おもちゃを片付けないで放置すると何が問題だと思う?」「おもちゃを片付ける方法は何だと思う?」「おもちゃを片付けてくれたら嬉しいと思う?」
- 友達とけんかをしてしまったとき:「友達とけんかをしてしまったとき、どうなった?」「友達とけんかをしないで仲良くする方法は何だと思う?」「友達に謝ったり話し合ったりすることはできる?」

- お菓子を勝手に食べてしまったとき:「お菓子を勝手に食べてしまったとき、どうなった?」「お菓子を勝手に食べないで済む方法は何だと思う?」「お菓子を勝手に食べてしまったことに対して何か言いたいことはある?」

- 部屋が散らかっているとき:「部屋が散らかっていると何が困ると思う?」「部屋をきれいにする方法は何だと思う?」「部屋をきれいにしてくれたら嬉しいと思う?」

- 嘘をついてしまったとき:「嘘をついてしまったとき、どうなった?」「嘘をつかないで正直に話す方法は何だと思う?」「嘘をついてしまったことに対して何か言いたいことはある?」

- 家族や先生の話を聞かないとき:「家族や先生の話を聞かないと何が問題だと思う?」「家族や先生の話を聞く方法は何だと思う?」「家族や先生の話を聞くことで何が得られると思う?」

- 自分の気持ちや考えを伝えられないとき:「自分の気持ちや考えを伝えられないと何が困ると思う?」「自分の気持ちや考えを伝える方法は何だと思う?」「自分の気持ちや考えを伝えることで何が変わると思う?」

このように、行動中心叱りは、子どもの行動や結果に対して具体的に問題点を伝え、改善策や代替案を考えさせ、謝罪や修正や反省を促すことで、子どもに自分自身を改善する機会を与えます。これは、子どもの自己教育力や責任感や規範意識を高める効果があります。


子どもとつながる聞く習慣


子どもにほめ方や叱り方だけではなく、もう一つ大切なことがあります。それは、子どもの話を聞くことです。子どもの話を聞くことで、子どもは以下のようなメリットを得られます。

- 子どもの自己表現力やコミュニケーション力が育まれる
- 子どもの感情や考えや悩みが理解される
- 子どもの信頼感や安心感が高まる
- 子どもの好奇心や探究心が刺激される

では、子どもの話を聞くにはどうすればいいのでしょうか?本書では、聞く習慣には3種類あると説明しています。それは、

- 聴く:子どもの話に耳を傾けて相槌や表情で反応する
- 聞く:子どもの話に興続きです。

- 子どもの話に興味や関心を持って質問や感想を伝える
- 話す:子どもの話に自分の話や知識や経験を加えて共有する

このうち、子どもとつながるのは聞くと話すだけだということです。聴くは、子どもの話を受け止めることはできますが、子どもにとってはあまり満足感がないかもしれません。子どもは、自分の話に対して相手がどう思っているか、どう感じているか、どう関わってくれるかを知りたいのです。

では、聞くと話すはどうすればいいのでしょうか?本書では、聞くと話すの3つのポイントを紹介しています。それは、

- 子どもの話に対して、オウム返しや共感表現を使う
- 子どもの話に対して、オープンエンドの質問や感想を伝える
- 子どもの話に対して、自分の話や知識や経験を加えて共有する

これらのポイントを実践することで、子どもは以下のようなプラス効果を得られます。

- 子どもの自己表現力やコミュニケーション力が育まれる
- 子どもの感情や考えや悩みが理解される
- 子どもの信頼感や安心感が高まる
- 子どもの好奇心や探究心が刺激される

具体的な聞くと話すの例として、本書では以下のようなケースを挙げています。

- 学校で楽しかったことを話してくるとき:「学校で楽しかったことを話してくれてありがとう!」「学校で何が楽しかったの?」「私も学校で楽しかったことがあったよ!」

- 夢について話してくるとき:「夢について話してくれて嬉しい!」「夢で何が起こったの?」「私も夢について話したいな!」

- お気に入りの本や映画やゲームについて話してくるとき:「お気に入りの本や映画やゲームについて話してくれて楽しい!」「その本や映画やゲームは何が面白いの?」「私もその本や映画やゲームを見たり読んだりしたことがあるよ!」

- 自分で作った絵や工作や料理について話してくるとき:「自分で作った絵や工作や料理について話してくれて素敵!」「その絵や工作や料理はどうやって作ったの?」「私も自分で作った絵や工作や料理があるよ!」

- 自分で考えたアイデアや発明について話してくるとき:「自分で考えたアイデアや発明について話してくれてすごい!」「そのアイデアや発明は何ができるの?」「私も自分で考えたアイデアや発明があるよ!」

- 自分で解決した問題や困難について話してくるとき:「自分で解決した問題や困難について話してくれてえらい!」「その問題や困難はどんなものだったの?」「私も自分で解決した問題や困難があるよ!」

- 自分の気持ちや考えや悩みについて話してくるとき:「自分の気持ちや考えや悩みについて話してくれてありがとう!」「その気持ちや考えや悩みはどうして起こったの?」「私も自分の気持ちや考えや悩みについて話したいな!」

このように、聞くと話すは、子どもの話に対してオウム返しや共感表現を使い、オープンエンドの質問や感想を伝え、自分の話や知識や経験を加えて共有することで、子どもとのコミュニケーションを深めます。これは、子どもとの関係性や信頼感を高める効果があります。


まとめ


今回は、モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士の島村華子さんの著書『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象』を紹介しました。

この本は、子どもの自己教育力や自己肯定感を高めるほめ方や叱り方、子どもとつながる聞く習慣について、科学的な根拠と具体的な事例でわかりやすく解説してくれます。親の声かけ次第で子どもの成長が変わってくるということを知っておくと、子育てに役立つと思います。

ぜひ、この本を読んでみてください。そして、自分でできる子に育つほめ方叱り方を実践してみてください。きっと、子どもとの関係がより良くなるはずです。それでは、またお会いしましょう。

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